第179回/プログレッシブ・ロック
1969年は、ウッドストック・フェスティバルやレッド・ツェッペリンのデビューがあり、ロック・ミュージックが社会に対して「宣戦布告」することになった重要な年です。
翌年からの10年間=1970年代は、ロックが最も輝いていた時代となりました。
私は、1979年の3月に高校を卒業しています。
最も多感な中学高校の6年間、正に、ロックのエネルギーを身体中に浴びて生活しました。
特にハマったのは「プログレッシブ・ロック」、通称「プログレ」。
ロックというカテゴリー全体で考えるとマイナーな分野ですが、当時から、思い入れの強い人たちによって支えられていました。
特に、1970年代はプログレが全盛期。
キング・クリムゾン「暗黒の世界」、ジェネシス「月影の騎士」、EL&P「恐怖の頭脳改革」などをリアルタイムで経験したことは、その後の私の人生を決定付けたと言えます。
最近、アメブロやYouTubeなどに、プログレ関連の興味深いコンテンツを発見することがあります。
それらの中に、私とは明らかに異なる世代の方が作ったものが見受けられるのはとても嬉しいことです。
プログレ作品には幅広い要素が含まれるため、その後、私の守備範囲はジャズやクラシックへと広がり、更には演劇にも興味を持つようになります。
東洋の外れにある島国で育つ少年が、聴きたい音楽や知りたい情報を一向に伝えてくれないテレビ、ラジオ、音楽雑誌などへ持つ不満は、その後、マスコミ全体に対する不信感にも繋がっていきます。
私にとってプログレは、表現活動を続ける上で原点であり頂点です。
そのエネルギーは時代性と地域性に裏付けされ、その人の人生そのものを映すものとして結実し、周囲には価値観を共有する仲間たちが自然と集まって来るのです。
= 2025/05/18 杜哲也 =
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