第184回/“現代珈琲交声物語”再演します
来月、久しぶりに「朗読歌劇そらのおと」の本公演があります。
メインの演目は、「現代珈琲交声物語(いまどきこーひーかんたーた)」。
これは、そらのおと旗揚げ公演(2016年)で初演された思い出深い作品で、今回は9年ぶりの再演となります。
そらのおと、何?…という方のために簡単に解説しますと、朗読と音楽の融合を目指して活動する劇団の名称です。
構成人員は3名で、朗読・歌の日高恵、座付き作家の原田佳夏、そして、主宰の私です。
弱小チームゆえ、多くの公演は打てませんが、やる気だけは常に満々。
特に、次回公演で何を取り上げるか…について話し始めると、三者三様の意見で熱が入ります。
「現代珈琲交声物語」を再演する話は、そらのおと内で度々上がっていました。
舞台芸術は、映像作品とは異なり、上演の度に作品の形は変わります。
再演は作品を育てることに繋がり、延いては劇団を成長させることになるのです。
今回、楽器編成を変え、音楽を入れる場面を相当増やしました。
結局、初演時にあった曲を含めた全曲を書き直すことになり、脚本にも多くの加筆修正が入りました。
これらが数回の稽古で意見集約出来たのも、そらのおと9年間の経験によるものです。
偶然ですが、先日観た舞台作品が、以前同じ劇団で観た作品の「再演もの」でした。
キャストは勿論、何より演出が大きく変わっていました。
しかしながら終演後、出演者から「脚本も楽譜も変更してない」という話を伺い、大変驚きました。
再演による「変わり方」には、劇団によって様々な形があるのだと思います。
表現者にとって、作品は我が子のようなもの。
我が子を育てる貴重な機会を得た幸運に感謝し、公演当日まで全力で稽古を続けます。
11月24日、西荻窪ココパームでお会いしましょう~。
= 2025/10/12 杜哲也 =
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