column
【第112回/音楽家の納税意識】
消費税率10%がスタートしました。
他の税金と比べると日々の生活に直結する上、今回は軽減税率というものが加わって話題性急上昇。
こんな時こそ、音楽家たちの納税意識の低さについて書きたいです。
多くの音楽家の皆さんが醸し出す生活感のなさ(=ここでは納税意識の低さ)には、勿論、良い面も沢山あります。
日常から離れてこそ湧き出る斬新な発想は、当然ながら私も大切にしています。
しかしながら、音楽もまた社会の中にしか存在出来ないのも事実です。
そして、社会を構成する上で大きな役割を担っているのが税。
新聞業界は、政治家を動かして軽減税率を獲得しました。
音楽の力は新聞に及ばなかった…ということでしょうか?
…いや、これは「やる気の差」が大きかったのだと思います。
音楽家には、「納税している」という意識が圧倒的に不足しています。
根本的な原因は、先に書いた音楽の持つ非日常性。
そこには、税なんて自分とは異なる世界の人たちが払うもの…という音楽家たちの特権意識があります。
…でもね。
例えば、お店のミュージックチャージ、毎月のレッスン代、過去作品への著作権料、コンサートのチケット売上…、こういったものが音楽家たちを支えているわけでしょ。
更に言えば、諸々の音楽活動をしていく上で発生する様々な経費だって、すべて今回の増税対象。
そりゃ、行政側の高飛車なやり方は腹立たしいですよ。
そのうち、楽屋に持ってくるおひねりにも課税するつもりかッ…という感じ。
それらに対抗するためにも、音楽家自身が納税意識を高めると同時に、くだらない新聞より遥かに価値あるものを創り出している事実を見せつけるしかありません。
===============2019/10/08 杜哲也
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