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【第121回/筆記具の話】

今でも音符を手書きしている私にとって、筆記具はとても大切。
長年、パイロット社製の「ドクターグリップ」を愛用していますが、最近芯折れの回数がかなり増えています。
何か良い代替品はないものかと探していたところ、先日、銀座の伊東屋に立ち寄る機会があり、生まれて初めて芯の太さ0.9mmのシャープペンシルを購入しました。

使い始めて10日あまり。
確かに、急に芯の太さが倍になった戸惑いはあるものの、大編成用の細い五線に向かわない限りは大丈夫そう。
何より、芯折れがピタリとなくなりました。

…実はその半月前、「芯折れしない!」という宣伝文句に踊らされ、新しいシャープペンシルを新宿で購入したばかりなのです。
何十年もお世話になったドクターグリップとお別れするのは残念でしたが、芯折れしないのであれば…と決心しました。
この商品、握った感触がドクターグリップにかなり近いのも好印象でした。
さて、筆おろしに何を書こうかなぁと、ワクワクして試し書きをすると、もうその段階で「ポキッ!」。
ん?
何かの間違い?
でもまた、「ポキッ!」。
う・そ・ダ・ロ…?

確かに、演奏家が楽器に投資するのとは桁が4つほど異なりますが、こちらとしても大切な商売道具に投資したのデス。
…ショック。
恐らく、私の筆圧が知らず知らず強くなっているのだと思います。

その経験を踏まえての銀座伊東屋。
ありのままを告げると、解決策は太い芯しかないだろう…との結論に。
まずは0.7から試奏…ならぬ試筆と考えましたが、何故かドクターグリップだと0.5の次は0.9。
他社製の0.7と比較した上で、半月前の失敗を踏まえ、今回はドクターグリップに軍配を上げた次第です。

ちなみに芯の硬さは、従前通り2Bにしています、…ご参考まで。

= 2020/07/16 杜哲也 =



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