【第133回/都議選・1票の格差】
東京都議会議員選挙がありました。
地方議員の選挙は、国政選挙と比べると、何故か1票の格差についてあまり論じられません。
ちょっと気になったので、調べてみました。
例えば、世田谷区からは8名が選出されますが、千代田区からは1名です。
千代田区はいくら昼間人口が多くても、住民登録で定数配分をしている限り、世田谷区の8分の1しか発言権がない、ということになります。
ところが調べてみると、本当に1票の格差を是正する気があるならば、こんな数字では焼け石に水であることが分かりました。
今回、千代田区で当選した候補者が獲得した票数は、たった8000票です。
世田谷区では、倍の16000票獲得した候補者が落選しています。
8000票という数は、世田谷区では13番目となり「惨敗」と言ってよいレベルでしょう。
そこまでして各区の独立性を守りたいのか…と思いきや、東京西部の市町村では複数の行政単位をまとめているところなんてゴロゴロありました。
例えば西多摩選挙区は、3市3町1村を抱える大所帯でありながら定数2。しかもここで次点落選した候補者は15000票取っています。
また、伊豆や小笠原の島々を独立選挙区(定数1)にするのは、千代田区を守るより遥かに納得出来ますが、千代田区で当選した票数ではこの選挙区でも勝てません。
そして最も不思議なのは、マスコミにこれを追及する姿勢が感じられないこと。
まさか、国会との商品価値が違うから…ではないと信じたいですが、国政選挙での噛みつき方と比べると何か変。
地方議会選挙の中では最も注目を浴びる都議会がこの扱いだと、他の県議会や市区町村議会でどんな不条理が眠っているのか、実に心配です。
私自身はどちらかと言うと、「平等」というものには拘りのないタイプ。
そのワタシが腹の立つレベルであることこそが、問題なのです。
= 2021/07/07 杜哲也 =