【第143回/moriのおと制作体験記】
コロナが始まってから、多くの同業者(=表現者)たちは、皆さんそれぞれの発信スタイルを模索しています。
こうした愛すべき「戦友」たちの意欲や熱意には本当に刺激を受けますし、こんな時こそ、創作活動への思いの丈が問われている気がします。
私が主宰を務める「朗読歌劇そらのおと」でも、それまで未経験だった動画制作を始めて2年以上が経過しました。
この間、多くの仲間たちに支えられて制作した動画は、既に20本を超えています。
その中のひとつ「moriのおと」というシリーズでは、毎回テーマを決めて私の作曲方法を紹介しながら、最終場面でその曲を聴いて頂く…という構成で作られています。
この度お陰様で6作目が公開され、シリーズ完結となりました。
私にとって、パソコンやスマホは、あくまで事務機器や生活用品という位置付けでした。
強いて言うと、ホームページの更新だけは頑張ってきましたが、文字だけ打てばよいcolumnと、視覚聴覚に訴える動画制作とは全く別次元のお話。
パソコンやスマホの普及後、革命とも呼べる生活様式の大きな変化は、コロナ禍という別方面からの圧力によってその進行速度が増し、当然、表現者たちもその荒波を受けています。
還暦過ぎた音楽家にとって、新しい発信スタイルを受け入れ、それを使いこなしていくのは結構なストレスですが、有難いことに応援してくれる仲間が沢山いて、私のような者でも少しずつ前進している実感があります。
支えて頂いたスタッフの皆様、ご出演頂いたミュージシャンの皆様、本当に有難うございました。
コロナ収束までの代用手段…という意識で始めた諸々の手法は、恐らくコロナが明けても様々な形で継続されていくはずです。
表現活動はそれだけ価値のある、そして魅力的な世界なのですから。
= 2022/05/25 杜哲也 =