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【第148回/卑怯者とは】

ロシアもウクライナも、それぞれの正義があるのは分かります。
しかし、私の乏しい経験から考えても、ひとつの正義は逆サイドから見ると犯罪的な悪…なんてことは多々ありました。

それらを解決するのに、殴り合いはやめてください…というだけのことなのです。
もう今は、社会を単一的な基準で統治する時代ではありませんし、ましてや武力行使は論外。
でも…。

いざ、殴り合いが始まってしまうと、残念ながら当人同士にはそんな理屈は通用しないのが人間、…ここまでは理解します。
だからこそ、…だからこそ、こんな時に大切なのは周囲の人たち。

電車内で口論が始まれば、割って入るでしょう。
酷くなれば、車掌さんや駅員さんを呼びますし、「武力行使」が始まれば警察に連絡するかもしれません。

でも今の状況、車内の人たちは見て見ぬふり。
(または、片方の応援に一生懸命。)
もし、痴漢で困っている女子高生がいたとしても同じですか?

「やめろ!」
というのが、人として当たり前でしょ。
その乗客が何について口論してるのかなんて、ぶっちゃけどうだっていい。
とにかく「やめろ」と。

日本を含めた世界の多くの指導者たちは、八ヵ月間殴り合っている両者に対して、発信・発言が少な過ぎます。
無関係の乗客にも、多くの被害が出ています。
今黙っていることが、どれだけ酷いことなのか。
ましてや当事国の内側から、命を懸けて発言している人だっているのです。

黙~って車両を移動する人、こいつらを「卑怯者」と言うのです。

= 2022/10/11 杜哲也 =

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