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【第154回/バート・バカラック】

この名前を知ったのは、中学1年の時です。
カーペンターズのアルバムに「バカラック・メドレー」というトラックがあり、彼の代表作6曲が途切れなく歌われていました。
好きだった「遙かなる影」も彼のペンによるものだと知ったのは、その後のことです。

これ以外にも、様々なアーティストが演奏している素敵な曲が、実は彼の作曲だった…ということを後追いで知ることになります。
・B.J.トーマス「雨にぬれても」(明日に向かって撃て!)
・ジャッキー・デシャノン「世界は愛を求めている」
・クリストファー・クロス「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」
中でも、ディオンヌ・ワーウィックとは一時期「専属作曲家」のような濃い関係で、カーペンターズの「バカラック・メドレー」に登場する「ウォーク・オン・バイ」「サンホセへの道」「恋よ、さようなら」などは、いずれもディオンヌが元祖だったことを知ります。
このように、「好きなものを並べてみたら、出処が同じだった…」という体験は、その人との不思議なご縁を感じざるを得ません。

また、バカラックは自らも歌う人だった…ということを知るのは、更に年月が経過してからです。
YouTubeに上がっている「Alfie」の弾き語りは、162万回を超える再生数です。
これを聴いていると、彼の人間的な優しさ、音楽への深い愛情がストレートに胸に入ってきます。

2020年、90歳を過ぎて計画されていた来日公演の一報に驚いて、「これは観ておかなくては…」と思っていたら、コロナで敢え無く中止に。
先日(2月8日)、94歳で天寿を全うし、直接観る機会は永遠に失われました。

先のYouTubeでは、長年のパートナー、ハル・デヴィッドへの強いリスペクトも述べられています。
死後も、作曲者本人に接することが出来るこの環境に、改めて感謝したいです。
ありがとう、バカラック!

Great thank you, Mr. Burt Freeman Bacharach!

= 2023/04/08 杜哲也 =

YouTube【Alfie Amazing version】

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