column


【第159回/和音と音程】

まず、和音。
高さの異なる音が2つ以上鳴っている時、それを和音と呼んでいます。

和音は、鳴っている音の数によって、以下のように分類されます。
音が2つ鳴っていれば二和音(ex.ドミ)。
3つ鳴っていれば三和音(ex.ドミソ)。
4つ鳴っていれば四和音(ex.ドミソシ)。
以下、五和音、六和音…と続きます。

ところが、四和音のことを「7の和音」と呼ぶ時があります。
これは、所謂「セブンス・コード」のことで、鳴っている音の数は関係がありません。
似たような言葉に「6の和音」というものがありますが、こちらは「シックスス・コード」のことではなく、転回形を表す言葉として使われます。

次に、音程。
音と音の距離は音程と呼ばれ、「度」という単位が使われます。

1度、2度、3度、…と数字が増えるに連れ、音程は広がります。
しかし、0度という音程は存在しません。
音楽では、「距離ゼロ」の音程を「1度」と言っており、これは別名「ユニゾン」とも呼ばれます。

また、「2度」と呼ばれる音程には、「広い2度」と「狭い2度」があり、単に「2度」と言うだけでは正確さに欠けます。
このことは、3度や4度も同様です。

「広い2度」は、「1音」とか「全音」と呼ばれるケースがあります。
この場合、「狭い2度」は「半音」と呼ばれますが、「0.5音」と呼ばれることはなく、カラオケボックスでは「+1」とか「−1」と操作されています。

何事にも基準があって、そこには閉じた空間が作られます。
そして、そのエリア内で通用する言葉が生まれ、各々の文化が成長します。
基準が変われば「間違い」になることも出てきますが、そのエリア内で辻褄があっていれば、外側からどうこう言われる筋合いはなく、そもそも、全てをひとつの基準に乗せる…という発想自体が「間違い」なのです。

= 2023/09/01 杜哲也 =


《topページに戻る》