【第166回/四谷三丁目の話】
ローカルな話題で恐縮です。
先日、とある演奏会の帰り道、久しぶりにこの街を散策しました。
30歳頃から、20年以上に渡って大変お世話になった街です。
杉大門通り、車力門通り…この2つの商店街は、今でも歩いているだけで、感謝と懐かしさに浸ることが出来ます。
それまで、ベースでの演奏しか受けていなかった私が、初めてピアノでお仕事をしたのが此処四谷三丁目。
いや、荒木町や舟町…と言った方がいいかも知れません。
その初仕事を皮切りに、計3軒のお店でレギュラー的に演奏させて頂きました。
私は、この街でピアノ弾きにして頂いたようなものです。
ここは、江戸の中心から程良く離れており、歓楽街としては絶好のロケーション。
「検番」という言葉をご存知ない方は、是非検索してみてください。
霊長類ヒト科に属する生物は、(男女問わず)どうしても、この時間が必要なのです。
そしてそういった場所には、古今東西、必ず音楽があります。
音楽に限らず、会話があり、飲食があって、文字通りそういう場所で文化が生まれるのです。
学校で教えることと社会で学ぶことには、自ずと違いがありますから…。
ところで、こんなことを考える時どうも納得出来ないのは、全てを綺麗事でまとめようとする最近の風潮。
このままだと、芸人も政治家も、スキャンダルのない人だけが残っていきます。
大切なのは、問題の本質です。
例えば、今盛り上がっている自民党のパーティー券問題。
同じ処分でも、郵政民営化の時は、各議員の政治信念に対する処分であり、言うなれば見ていて清々しい気持ちでした。
今回は、日本の政治レベルを世界に晒しているようで、何とも情けない、恥ずかしい気持ちです。
芸人だって、ファンから渡されたおひねりを親方に内緒にして処分されるより、芸風で対立して破門される方が本望でしょう。
四谷三丁目の話を書いていたのに、こんな話に発展してしまう…、これこそ、この街の文化だと思います。
いつまでも残って欲しい魅力溢れる街、そして、私にとっては、とても大切なご縁ある街について書かせて頂きました。
= 2024/04/04 杜哲也 =