第185回/変わりゆく「当たり前」の中で
今週の月曜日(10/26)、JAXAによるH3ロケットの7号機が打ち上げられました。
一昨日(10/30)には、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届けるミッションも無事完了。
ISSでは、長期滞在している油井亀美也さんがロボットアームを操作してH3をキャッチした、との報道がありました。
もうひとつ最近の宇宙関連記事で驚いたのは、NASAによる「アルテミス計画」。
2040年代には、月に1000人ほどが居住する計画もあるようです。
宇宙についてのニュースを読むと、いつも壮大な夢を感じ、自分が日々悩んでいる事柄が如何にちっぽけなことか、を思い知らされます。
H.G.ウェルズや小松左京を読んで空想していた世界はどんどん現実化されており、現代は、人類が初めて火を使い始めた時のような大きな変革期に入っているのだと思います。
変革期では、これまでの常識を打ち破った人こそ勝利者になります。
ロケットをキャッチする、月で暮らす…といった「ありえない話」が「当たり前」になる社会が始まっています。
もがいている間の混乱期を過ぎれば安定期に入り、それまでの「当たり前」は「当たり前」ではなくなります。
長い目で見ると、この世には「本当」なんて何処にもない…のかもしれません。
表現活動をする時には、この精神が極めて大切です。
政治家を評する時、平時の人、有事の人、という言い方がありますが、歴史に名を残すリーダーはほとんどが後者。
そもそも、平穏無事な生活は表現に馴染まない素材であり、殺人や不倫があってこそドラマが成立します。
根底には、誰もやってないことをやってやろう…という姿勢があります。
いわば混乱期にいる中で、今日、今週、今月…と、眼の前にある事柄をひとつずつこなす毎日なのです。
= 2025/11/01 杜哲也 =
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