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【第60回/“実情にそぐわない”?】
かれこれ20年は床屋に行ってません。
もう長い間、私の髪型は全く変わっていないのです。
言ってみれば高校球児たちと同じで、バリカンを当てればハイ出来上がり。
何の小細工も必要ないので、人様に依頼する必要がありません。
しかも所要時間およそ10分。
浮いた時間とお金で、ここまでどれだけのビールを頂いたことか…。
そんな中、先日興味深いニュースを読みました。
理容師と美容師に関する法律のお話。
え~、そんな法律あったの?…というスーパーアナクロニズムの世界。
プロの法律家でも知らなさそうなその中身。
・理容師は女性客にパーマをかけてはならない。
・美容師は男性客をカットだけで帰してはならない。
こんな法律があるのですね、…びっくり。
そのニュースは、これら二項目を「実情にそぐわない」として「撤廃する」というもの。
知らなかった法律をワザワザ持って来て「撤廃」と言われても…「はぁ?」としか言いようが…。
こちらはそもそも、開業に国家資格が必要だったことに対してもやや驚きの状態。
考えてみると、喉元に刃物を突き付ける超危険なお仕事でした。
(…私は完全な無資格運転。)
作曲家とかピアニストは、名刺にそのように書けば済むお話。
法律で社会を動かすって、大変なのですね。
ここで、ふと思いました。
「実情にそぐわないから法律を変える…」というのは何となく危険。
一見アナクロに見えるその条文があるからこそ平和が続く、というケースもあると思うのですが…。
2015/08/07 杜哲也
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