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【第70回/祝、イチロー選手】

イチロー選手の4257安打を観ました。

世代的に、どうしても王貞治選手の756号の時の熱狂を思い出さずにはいられません。
社会全体の関心度や報道の量は、あの時の方が上だった気がしますが、成し遂げた事は今回の方が上でしょう。
異国の地で男一匹、己の技術だけを武器にして大男たちと勝負する姿勢、…私にとってはこれだけでもうゾクゾクします。
忘れられない感動のライト線への一打、本当に有難うございます。wao~!

王選手の時も、大リーグの記録と日本国内の記録を比較することに対する議論はありましたが、アーロン選手はローズ選手よりも大らかだった気がします。
時代的に、アーロン選手には当初から相手にする必要がないくらいの余裕があったのに対して、ローズ選手は少し本気になっているだけなのだと思いますが…。

記録を達成したスポーツ選手の言葉には、とても説得力があります。
イチロー選手は試合後のインタビューで、「笑われたことを成し遂げて来た自負がある」と語っていました。
男なら誰しもが言ってみたい台詞でしょうが、私は多分一生言えないと思います。

ところで、こうして大リーグで活躍する日本選手を見るたびに、いつも野茂英雄選手のことを思い出します。
今でこそ大リーグに挑戦する正規の方法がありますが、当時はそれがありませんでした。
1995年の開幕前に彼の取った「無謀な行動」があってこそ、後に続くイチロー選手たちがあるのは間違いありません。

如実に表れるのは年俸。
野茂選手の国内最終年俸は1億4000万円でしたが、渡米1年目は何と980万円のマイナー契約。
イチロー選手は国内最終年が既に5億3000万円でしたが、渡米1年目では更にアップの5億6000万円。

もっとも彼らのレベルになれば、「そんなことは問題ではない…」と言うに決まっていますが…。

2016/06/18 杜哲也


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