column
【第82回/著作権の管理】
JASRACが、来年(2018年)1月から、音楽教室での楽曲利用に対して課金する方針を発表しました。
…いやこれは、大変なことに手を出したな、というのが第一印象。
JASRACは、これから半永久的にこの問題に取り組まなくてはならないと思います。
振り上げた拳を下すのは、なかなか難しいのです。
悪役は覚悟の上…を感じるJASRACに、ことの切実さを感じます。
著作権という概念は、音楽だけでなく、美術や映画などについても当然ついて回ります。
私は、音楽作品の使用手続きは30代から経験していますが、近年初めて、文学作品の使用手続きを経験しました。
そこで驚いたのは、最初まず、金額の話にはならないこと。
使って良いか否か…これが先に問われるのです。
また、すべての文学作品を一元管理する(JASRACのような)団体は存在しませんでした。
出版社や著者…それぞれの判断が尊重されるのです。
音楽と比べて、何と気持ちの良い事務作業だったことか、言うまでもありません。
JASRACは今春、京都大学学長の入学式式辞にボブ・ディランの代表曲「風に吹かれて」が使われたことについても、話題を提供してくれました。
日本で「著作権」という概念がここまで普及したのは、確かにJASRACさんのお力が大きいと思いますよ。
ただ今回は、個人の音楽教室にも請求することを視野に入れて…というのですから、御社の限られた労働力は相当ここに使われていくでしょう。
…素朴な疑問です。
JASRACの皆さん、今するべきお仕事、他に何かないの?
→2017/06/08 杜哲也
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